こんにちは。中瀬一菜です。
現役公務員がおもう公務員ってブラックだなと思うところを暴露したいと思います。
※筆者経験談や推測も含まれますので、そういうものなのね知らんけど精神でどうぞ。
いつから公務員がホワイトだと錯覚していた?
こんな記事がありました
こんな記事が目に留まりまして…内容はこんな感じ。
- 民間企業から公務員へ転職した人の話
- 公務員の仕事は、旧態依然とした内容
- 新しいことを嫌う体質
- 仕事へのやりがいがない
- 残業代がつかない
- 真面目に働こうと、適当にこなしている職員と給料は一緒
辞めたいという人に対して、将来安泰なのに勿体ない・辞めるなら代わってほしいなどというコメントが付いたそうな。
うーーーん、正論デスネ!(棒)
現役公務員であるわたしが思うに、いや~ごもっともですわ~といった感じ。
(それな~~~)
べらぼうな額のボーナスを貰うためだけに勤めてるんだと自己暗示する、国民・県民等のために滅私奉公しているのではなくこっちがお世話してあげてるんだくらいに割り切る、仕事とプライベートをハッキリ分けてプライベートをめちゃくちゃ充実させる等々…これくらいしないと公務員の仕事は辛いと思います。
…と、現在うつ病で休職している私が言うとなんだか迫力が違いますかね。
近くの公官庁を見てみてマジで
もし、お近くに庁舎があるなら見にいってみてください。夜遅ーくまで明かりがついてますよ。ソコソコ大きいところだったら、だけど。もちろん例外はある。
特に議会が開いている時期。国だろうが県だろうが市町村だろうが、通常業務に上乗せで議員先生の対応がついて回ります。幹部級職員だけじゃない、それに付き合わされる平職員も大変なのだ。
そして国の予算案が出る12月…その前の秋ごろからは、諸団体からの予算要望がガンガン上がって来てきます。その処理に追われるのは我々職員です。諸々を調整しまくって(要望内容を各方面とズレないようにとか…誰に要望してとか…)走り回ります。
こういう行政の中心部分以外でも、もちろん当然に大変です。残業は通常運転。わけ分らん苦情に耐えて、何事も無いようにこなします。とにかく前年踏襲です。そうすればとりあえず自分だけが責任を負うことはない、というか、そうでもしないと間に合わない。
一体誰が公務員は楽な仕事だ、なんて言ったんでしょうね。詐欺だぞマジで。大事なことなので大きく書きました。
わたしが目撃したブラックな公務員のお仕事
走る!電話する!走る!残業する!
わたしが見かけたお話。丁度、予算を組む時期でした。この頃になると、各課がこれくらいのお金がかかるかなーという案を出してくるのですが、もちろんそれがそのまま通るはずも無く、いろんな人たちからのチェックを受けるんですが…
その調整役をしている人がとんでもない状態でしたね。レクチャーのスケジュール管理を一人でこなすみたいな状態です。もちろん、それに付き合わされる人たち(多くはお金が必要な事業を担当する人)は当日のレクチャーや資料作りもあります。
…ってサラリと書いていますが、ドッタンバッタン大騒ぎ(welcom ようこそ、公僕パーク♪)を地で行く感じ。終業の時間になろうと、そんなの関係ねぇ!といった感じで動き回ります。電話を掛けたり…レクチャーに付き添ったり…資料を揃えたり…
見ているだけで気の毒になるレベルでした。多分、あのレベルの仕事になると、みんながみんな出来るわけじゃない。そんな大変なお仕事でした。
エンドレス出張
出張といえば社会人って感じですけど、実際に行かされる人間はつらい。とてもつらい。
担当するお仕事にもよりますが、規模が大きくなって関わる自治体が多くなればなるほど、残念ながら出張がついて回ります。となると、自然と仕事量だって増えますから、忙しくなりますし、そうなると責任だって増えます。なんということでしょう…
最悪やん…と思ったのは、出張のスケジュールを聞いたとき。月に複数回フライトの予定が入っていました。そしてその後も毎月フライトです。一人で行けば気が楽ですが、そんなわけもなく、お偉いさんがついてきます。随行ってやつです。
…出張があるということは、その前に出張先で扱う仕事があるということ。とんでもない仕事量です。ですが、残念かな、慢性的な人手不足ですから、出張のお仕事以外にも全く別のお仕事だって抱えているんですね。あとはお察しです。
そしてそして、出張とくれば、そのあとの報告書もついてきます。ええ、お察しください。
テッペン越え
テッペン越えという造語がありました。(天城越えみたいでカッコいいな、なんて思わない)その意味は、深夜12時を超えて残業をすることです。
これは、そこそこ昇進した中堅職員に限ったことではありません。新規採用の職員だって問答無用でやらされます。自分の担当する仕事が終わらないんだったら、終わるまで残ってやるんです。女の子だって免除されません。担当になったんなら、やるんです。
これは、「本庁」と呼ばれる組織の中の中心部が集まる部署で多かったですね。哀れに思った同僚が、テッペン越えをして仕事が終わった職員を自宅に招いて食事を提供する…なんてハートウォーミングなお話を聞いたことがあります。
…ちなみに、わたしは最長22時ですかね。これでも早い方。しかし、残業している最中は虚無って感じ。あと、残業中にかかってくる電話に碌なモノはなかった。お察しください。
わたしの体験談
電話でガチ喧嘩
ここでひとつ、私のお話をば。
新規採用で入った年に、自分の親くらいの先輩職員と電話でガチ喧嘩をしたことがあります。喧嘩…というか、こちらの要望をお願いしていたら、なぜかヒートアップした…というだけなのですが…
汚い言葉や放送禁止用語は出ませんでしたが(ここのところ私マジでよく頑張ったよな)、要望自体は正当なモノだと思っていたので一歩も譲りませんでした。どんどんヒステリックになる職員。喚く声がうるさくて受話器を置きたくなる…
さすがにヤベェと察してくれたのか、隣の席の同僚に電話を替わってもらい、ようやく要望を飲ませることができました。この後、あまりの怒りでトイレで泣いて喚てブチ切れて暴れて、何事も無くデスクに戻る…ということがあったりなかったり。モンスターは外だけじゃない、中にもいるのだ。
堂々巡りの苦情電話
そう、公務員と切っても切り離せないモノ…それは苦情電話だ!!! どんな部署に行こうとも、絶対ついてくるイヤなヤツ。わたしも経験済みです。当り前だよなぁ!?
だいたい、ヤバい電話()は、わたしのような底辺職員では手に余ります。マニュアルどおりの話をしても通じないんだもん。ずっと怒鳴ってるんだもん。こっちが切れたいわ。ワシみたいなペーペーでもそこそこ人件費かかってんねんぞ。ただでさえクソ多い仕事を妨害しないでくれ。
もちろん、正当な内容のモノもあります。これに関しては謝罪の上、反省して再発防止を考えつつ、しかるべき対応を早急に対処します。
ですが、わけ分らん苦情もある。というか、実感として多い。しょっぱなから切れる人。公務員の人権無視の人。暴言吐き続ける人。同じことをずっと繰り返す人…色々です。見当違いなのは分かってるんですが、確実にコッチのメンタルが削られていくんですよね。かといって、切るわけにもいかず… 上司に変わろうとしたら拒否られたりすることもあったりなかったり…
公務員仲間との酒の席でこういうのを肴にして飲みまくるしかないんですが…割に合わんよなぁ。
永遠とポンポンポンポン…
公務員の仕事はやりがいが無いとの話でしたが、それの参考になる話を一つ。
細かい数字を扱う仕事がありまして。Excelで関数を使ったりなんなりして、機械的に正しく打ちごんで入るんですが、実はそもそも式がぶっ壊れてたり(これが前年踏襲の悪いところマジで。そんだけのシートで式を直したか…)、書き写した元の数字が駄目だったり、桁数が増えたことによる書式設定がおかしなことになってたり…みたいなのをチェックするために、人の目でコツコツやるしかありませんでした。いや、もっと良い方法があるのかもしれないですが、不勉強なわたしには思いつかなかった。
どうやってチェックするか? そんなの、紙に印刷して、物差しで行を捉えて、蛍光ペンでポンポンポンポンとチェックするんですよ。
ヤバいときは一日中、いや一日では終わらなかったです。永遠と行を変え、時に色を変え、ポンポンポンポン、ポンポンポンポン… 飽きても解放されません。目が疲れたなんて泣き言は通用しません。なんでこんなことしてんねんやろと虚無の心でひたすら終わるまでポンポンするのです…
この作業途中で電話かかってきたらわけ分らんくなって最初っから、なんてこともあるんだよなァ…
引継ぎなんてなかった
前年踏襲になんでなるのか?というお話ですが…これはまともに引継ぎが行われないからです。
組織として正式な引継ぎ書なるモノは存在せず、職員が個人的に作成して決裁もなにも受けていない非公式な引継ぎ書を用いています。たぶんどこでもこんな感じでは?知らんけど。
ですので、作った人がどれだけ丁寧に書いてくれたかによって、その出来具合はバラバラ。残念な仕事を引いてしまったら、ご愁傷様です…としか言いようがないのです。
って、ピンからキリまであるみたいな言い方をしましたが、だいたいの引継ぎ書はそんなに良いモノではありません。あれをこうして、ああして、出来上がったものを…なんて懇切丁寧に書かれたものはお目にかかったことがありません。大まかなスケジュール。いつこれがある程度。そして、前年の仕事が治まった分厚いファイル。以上終わり。分からないことは、前年のファイルを見てこの通りにやってね、となるのです。そしてそれに従わざるを得ない。
これは、職員に引継ぎ書を作る時間が無いというのもあると思います。というのも、だいたい自分が異動になる年は分かりますが(慣例で)、実際に異動になるかどうかは内部の異動速報(三月の中下旬?)を見て知ります。それから作ろうとしても時すでに遅し…というか事前に取り掛かれるほど仕事量に余裕があるわけではないのです…毎日ギリギリなんだってばよ…
かくいうわたしはなのですが、出来る限り詳細な引継ぎ書は作りましたが、前年の仕事のファイル内にメモ書きを大量に残していました。もう、これ見て!頼りな状態。人のことは全く言えた立場ではございません…
とにもかくにも、自分の健康だけは守ってくれよな!
リアル公務員の実情をぶっちゃけてみました。できるだけ抽象的に書いたつもりです。身バレしませんように。
ブラックというご指摘が当てはまるかどうかは、人それぞれですが…やりがいという点に関しては…否定的な意見が多数を占めるのではないかなと思います。
話は変わりますが、人間が仕事を続けられる理由って、三つあるんですって。お金・やりがい・人間関係…だったかな多分。聞いた話ですけどね。このうちの二つが無くなったら、人は仕事を辞めたくなるものなんですって、その話によれば。
辞めるかどうか悩んでいる…そんな場合はこの三つを思い浮かべてみるといいかもしれませんね。
とにもかくにも、どんな仕事をしようと、自分の体――健康だけは守ってほしいと思います。
20代も後半に差し掛かると病気の話を聞きますし、無理は出来なくなります。無理ができたとしても、付けが回ってきます。それは、フィジカル面でもメンタル面でも、です。
わたしの場合、お金がちょっとアレなので、現在休職中ですが復職を目指しています。やりがいも人間関係も無いんですが…あれ…辞める一直線では… いやいや、そんなことはないですよ。ボーナスをあと数年分はしっかり貰わないと、辞めるに辞められません!公務員試験対策に結構なお金がかかってますからね!元が取れんちゅーこっちゃ!
楽しい仕事は確かにありました。ひとことで公務員といっても、仕事は多岐にわたりますからね。いい仕事と出会えるかどうか、そういう運もかかわってくるお話じゃないかなと思ったり思わなかったり… このテーマは難しいなぁ。
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書いた人 中瀬一菜(なかせ・ひいな)
うつ病が原因で退職した元公務員。未婚・アラサー・障害者。
うつ病があっても自立した生活を送るために日々奮闘中。
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