こんにちは。中瀬一菜です。
今日はいつものゆるふわ☆うつ病日記ではなく、ちょっとお堅めに最近のうつ病に関する記事を引用してお話したいと思います。
1 若い人のうつ病が増えてるってーッ⁉⁉⁉(棒)
みんな大好きニコニコ動画。わたくし、動画は見なくなったのですが、ニュース欄は好きでして、毎日チェックしています。まともに新聞読んでませんし、こういうところで時事ネタを掴んでおります。
気になった上記の記事…要は、若い人のうつ病患者が増えてますねってことなんですが、ちょっとだけ詳しくご紹介しますとこんなかんじ。
調査結果によれば、10~20代が前回調査(2014年)の18.4%から27.9%に急増。(略)
10~20代、30代、40代で「心の病」を抱える人の割合がいずれも3割前後と拮抗し始めていることについて、同本部(公益財団法人日本生産性本部※追記中瀬)は、これまで「30代」に不調者が多かった理由は、責任が重くなるものの管理職にはまだなれず、「責任と権限がアンバランスになる」ためだと考えられてきたというが、「この’責任と権限のアンバランス’が40代、10~20代にも広がったと考えられないだろうか」と分析している。
ふむ…若い人=10~20代の「こころの病気※うつ病とは書いていない※」が増加して、30代・40代の割合を拮抗していると…
分析もされておりますが、わたくし、この調査とっても気になります。うつ病で休職中ですから、まさしくわたしは10~20代の27.9%に含まれる側の人間。わたしにはわたしのうつ病になった理由がありますが、こういう調査で全国的にみたときにどういう傾向があるのか…非常に興味深いです。
ということで、この調査の報告書を見つつ、いろいろ考えてみたいと思います。
2 調査報告書を見てみよう
1 調査の基本情報を確認だ!
まずはこの調査の概要をば。
- 調査した団体は、公益財団法人日本生産性本部 メンタル・ヘルス研究所
- 2002年~2014年まで隔年で実施。本調査は2017年に実施した8回目のもの
- 調査目的は、企業のメンタル・ヘルスに関する取り組みの実態を分析・解明すること
- 調査対象は、全国の上場企業 2,273社。2017年7月から9月にかけて実施(有効回答数 221社、回収率9.7%)
隔年実施のところを、2016年は見送ったんですね。ふむ。
というか、回収率ひっく…! もうこの時点で企業の意識の低さがなんとなく透けて見える感ある。
それとも、一般企業ではこういう調査は回答しないんですかね…? そういう情報は公開できませんとか…? 200社以上も回答があれば、とりあえずそもそも調査として成り立つんでしょう… 上場企業もピンキリのような気がするのですが…
2 というか、日本生産性本部ってなにそれ?
ちなみに、わたしは日本生産性本部という団体は初耳でした。世界的な組織の日本支部っぽい立場のようで。ちょろっと調べてみたところ、「生産性運動」なるものを推進する組織らしいです。雇用の維持拡大・労使の協力と協議・成果の公正な分配を原則に掲げて、産業界を中心に生産性を向上させるのだとか…
労働組合のような被雇用者がどうの、権利がどうの、制限がどうの…というのではなく、会社やそこで働くみんなが元気に活動できるようにサポートするよ!的な立ち位置なのでしょうね。うんうん、確かにメンタルヘルスも絡みそうなお仕事をしてそうです。
ちなみに、役員のみなさんの詳しいところをちょろっと調べてみたところ、右寄りの薫りがしました。あんまり右左と言いたくはないですが…
3 調査報告書の中身を確認
報告書自体はPDFファイル数ページだけでした。非常にライトめな報告書ですね。もしかしたら、現時点で公開OKな報道提供資料なのかもしれませんが…
とりあえず、調査報告書も共有しましょうそうしましょう。数ページだけですし、空白多いですし、グラフ大きいですし、すぐに読めちゃいます。
公益財団法人日本生産性本部 - 第8回 『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査結果 〜「心の病」の多い世代で20代が急増。各世代共通の課題に〜
一通り目を通してみて、わたしなりにポイントを絞って要約しますと…
- 前提として、日本人の年齢別人口の割合が若い人ほど少ない=若い人の採用人数は減ってるあたりを押さえつつ読む必要がある。割合だらけで頭がこんがらがるぞ。
- 「心の病気」の増加傾向は、全体としては横ばいないし減少傾向。年齢別の「心の病気」が最も多い層では10~20代の割合が多くなり、10~20代・30代・40代が拮抗。ということは、圧倒的に若い人が病気になってるってことじゃね…???
- ストレスチェック制度がぜんぜん上手くいってない(ちーん)
- 前例通りでは済まない業務や全く新しい種類の業務を行うようになった、従来業務の質が上がった系の会社では、「心の病気」は増加傾向。そりゃそうやな…
思った通りですわ、といった印象でした。
やっぱり、わたしみたいな人、おるんやん。わたしはまさしく、「前例通りでは済まない業務や全く新しい種類の業務を行うようになった」に該当しますね。そりゃストレスまみれですわ…調査通りです。
とっても残念だったのは、ストレスチェック制度がうまく機能してない感ある回答だったこと。実施率はいいんですけど、面積指導まで繋がってないようで…それに折角集めたデータの活用に困ってるみたいです。まだ始まって日が浅い制度ですけどね…
3 なんで若い人が病気ならないかんの
ちょっと書きぶりが固めで、所々皮肉がありましたが…いい調査だと思うんですけど、若い人が病気になってる・しかも増えてるって…なんだか腹が立ってきまして…
わたしもいろいろあってうつ病になって休職してます。もう結構長い間休んでます。職場復帰に向けた訓練をしてますけど、試し出勤のめどは立ってないです。アラサー腐女子、彼氏なし。できるだけ今この瞬間を楽しく生きることだけを考えて、毎日をやりすごしています。
こんな人が、他にもたくさんいて…他ブログの同じ年代っぽい主さんもメンタル面で困ってる方たくさんいて、なんならリアルに知っているガチで同い年の知人友人でも苦しんでる人はたくさんいて…
いろんな事情を見聞きしていて、この調査を見てると、会社…いや社会そのものが憎くなる。
なんで、若い世代が使い捨てられるように働かされないといけないんだ?
頑張って勉強して高校まで行く人が多い。中には大学や大学院まで出た人もいる。そういう国費を大量につぎ込んで教育して特別な知識や技能を身に着けた人材を、なんだと思ってるんだ?
就活の話や普段の仕事ぶりの話を聞いていると、ほんとうに気が滅入るようなことばかり。いっそのこと、この国を捨てたほうがいいのか?
人権意識が低いこの国がつくづく嫌になりました。よその国の法律を真似て近代国家っぽい法整備をしても、結局身についてないよね。権利意識が低すぎると思います。あと、権利を勘違いしてる勢も多すぎると思います。
日常のふとした瞬間に、あぁこの感じ昔からの戦前から続くクソ慣習だと感じるときがあります。この国のために亡くなった多くの命がありますから、これ以上は言いたくはありませんが…
そう思うと、なお更だったらもっといい国になってくれよと願わずにはいられない。他力本願みたいですけどね。
中村明日美子先生の漫画で、『ノケモノと花嫁』という作品がありまして。

- 作者: 中村明日美子,幾原邦彦
- 出版社/メーカー: インデックス・コミュニケーションズ
- 発売日: 2009/12/15
- メディア: コミック
- 購入: 6人 クリック: 85回
- この商品を含むブログ (44件) を見る
この作品の世界では、子どもが上司・大人が部下みたいな感じなんですよね。
ふとした時に、現実もこうなれば生きやすいのかしらと考えてしまいます。
ー----------------------
書いた人 中瀬一菜(なかせ・ひいな)
うつ病が原因で退職した元公務員。未婚・アラサー・障害者。
うつ病があっても自立した生活を送るために日々奮闘中。
Twitter https://twitter.com/ebihuraiumeeee
Instagram https://www.instagram.com/nakasehiina/