こんにちは。中瀬一菜です。
今日は、わたしがうつ病になった原因について、あの時本当はどういう対処を取っていればよかったのかを検証したいと思います。とっても今更。
わたしがうつ病になった原因をご紹介
わたくし、日本国内のどこかで公務員として働いているのですが、
- 異動前からそこそこ大変で、ストレスも疲労も常にピーク。
- 異動後は畑違いの忙しい部署へ飛ばされる。
- 引継ぎ書もマニュアルも実質存在しないブラックな職場で専門性の高い業務を即行で担当することになる。
- 適当な仕事しかしない前任者と周囲の人間に振り回される。
- ストレスがマッハとなりうつ病の典型的な症状が出始めて休職。
…というような感じでした。詳細は下記記事にまとめたことがありました。
あんなことが嫌だった、これが辛かったというのは、この場でたくさん書いてきましたので把握できているのですが、じゃああの時どうすればうつ病にならずに済んだのか、というのはまだ十分に考えていないなぁと気づきました。
こんなことを思いついたのは、前日何時も通り師匠の動画でお勉強をしていた時に、客観的に振り返ることは良いよと仰っていたから。なるほどな~~~
ということで、早速振り返って対策を考えたいと思います。今リアルタイムで困ってる方の参考にもなったら一石二鳥的なアレで中瀬さんとてもうれしいです。
あのときどうしたらよかったのか…うつ病ルート脱出作戦わず!
1 不相応な重たい仕事が回ってきたとき
いきなり部長級職員を連れて出張とか、組織を代表するような担当者に任命されるとか、庁内関係者だけでなく外部も出席する大規模な会議の担当になったり…
副主幹、主査、課長補佐あたりがやってそうだよな!?!?!?みたいな仕事が、人手不足と仕事量の過多によって、わたしのような下っ端のモブ職員に回って来てしまうこともあるんですね。頼むよ!と言われた時の期待は嬉しいですが、重圧がすごいのです。
このときに、わたしはこの仕事は出来ませんと抵抗しませんでした。
この仕事をやり遂げて、認められるんだ!みたいな気持ちもあったと思います。
ぶっちゃけ、公務員、自分で仕事を選り好みできる余裕なんてありません。慢性的な人員不足でみんないっぱいいっぱい。誰かが抱えないと誰かがパンクする…そんなギリギリの状態で動いています。
けれど、かといって自分がパンクするお役を引き受ける義理は無いと思います。それは、わたしにとって自分の体・健康が一番大切だから。仕事に生きる人間じゃないから。(ここは、人によって違うところでしょう。仕事大好き・将来もっと偉くなりたいなら、こういう身分不相応な仕事はドンドン引き受けて、人脈を作って、信頼を得て、いろんなところに種をまくべきです。)自分のライフプランを見据えて、取捨選択することが大切でした。
あと、仕事の選択権はありませんが、適切な人間に適切な仕事を振るのは上司の役割(だから高い給料もらってるんでしょ?)ですので、自分の意見はハッキリ言って上司にその役割を全うさせるのも必要だと思いました。
仕事の優先順位をハッキリさせる。
身分不相応でも将来役に立つと判断したら、自信もって引き受ける。
かといって、自分が損な役周りになる義理はないので、嫌なら嫌と意思と要望をはっきり口に出して上司に伝える。
2 自分の仕事が多すぎるとき
やや↑と被りますが…
会社員は自分で自分の仕事を決められないのが世の定め。公務員だって同じで、『はいコレ貴方の仕事ね~後はヨロシク~☆彡』って感じ。なので、自分の仕事を上司から範囲を指定されたら、あとはそれに従ってやるだけ。
でも、その指示で尋常じゃない仕事量を振られることもある。休む前のわたしみたいに。なんでこんなに走り回ってるのに仕事が終わらないんだろう・いつも忙しいままなんだろうと思いつつ、残業を日常的にしながらこなしていました。
当時のわたしは上司からの仕事配分に疑問を抱くことをしなかったんですね。
自分の能力を超えていると察したなら、自分の能力不足を責めるのではなくて、上司の仕事配分に異議を唱えて減らしてもらうことが必要だったと思います。周りにしわ寄せが…と気にしてしまいますが、それで自分が倒れるまで働くのは違うよね。
あと、やっぱり一人仕事は基本負担がデカい。人に仕事を依存させてしまうと、その人が倒れてしまえば…想像もしたくないですね。一つの仕事に二人以上の担当を付けて、主担当・副担当と分けてそれぞれで把握し合い、業務担当として表に出るのは主担当のみ…みたいな仕組みづくりをしてほしい。…って、こういうのも上司の権限なんですけどね。
現実的にペーペーの平職員でもできることといえば、「仕事配分に疑問を持つことは当然に許される」という意識を持つこと。そして、上記の繰り返しになりますが、その疑問を常識にハッキリ伝えること。こういうぶつかり合いを避けて穏便に済ますことばかり考えないで、思いきってコミュニケーションすればよかったと思います。
人間関係のぶつかり合いを恐れるな。不満があるなら、改善する。口に出して表現する。
思っているだけでは何も変わらない。察してもらいたいというのは、行動しない自分への甘え。
3 疲れてしょうがない、休んで回復したいとき
誰でもあります、疲れちゃうとき。朝8時から17時まで5日間働いて2日休んでというのをずーーーっと続けるのが普通の社会人なんですが…
ちょっとしんどいなぁと思う時があっても、わたしはそれを言えませんでした。有給休暇はあっても使い方が下手だったんですね。丸一日休んでしまえばいいモノを、中途半端に出勤してスッキリしないままズルズルと…というパターンがとても多かった。
わたしが辛いときに休む職員がいると、ちょっとずるいなぁと思ったりしたこともありました。お門違いなんですが…
いっその事、誰に何を言われようと自分に必要なだけ休めばよかったです。こんな病気休暇を取る羽目になる前に。抱えている仕事のことで迷惑がかからないように配慮ができたなら、あとは自由。これでいいじゃない。
いや、むしろ、迷惑がかかることを承知の上でも、体調によっては休まないと危険だと思います。風邪をひいたときとか特に。総理大臣だって代わりがいるんですから、わたしみたいなペーペーがひとり居なくたって仕事はちゃんと回るもの。現に、絶対にヤバいと思ったわたしの部署ですが、わたしひとりが欠けたまま欠員補充も無く回ってる。
でも、制度上はこれでいいかもですが、人間の気持ちはそんな上手くいかない。ちゃんとフォローをする(感謝を伝えたり、お礼に何かを渡してみたり、仕事を替わって上げたり…)のは、人とのお付き合いで大事なことだと思う。
休むことが悪いのではない。
休むことで迷惑がかかると思うなら、ちゃんとその後のフォローをする。迷惑がかかる=ダメという思考から脱する。
4 引継ぎ書・マニュアルがないとき
悲しいかな、マジで公務員あるあるだと思います。忙しい仕事になればなるほど、こういうのってなおざりになっているような…気がしないようなするようなしないような…
去年の書類などなどをめくってめくってめくりまくって、ようやく理解できるという状態が、どんだけ効率悪いか… 一時間以上かけて調べてようやくひとつの決裁書類がようやくできました、でもやり方さえ分かってれば30分もあればできました…みたいなこと結構あります。
わたしはこういう時、引継ぎ書・マニュアルが存在しないことに疑問を持ちませんでした。まぁそういうものなんだろうなぁって。それから、長時間調べても分からない時、自分の頭が悪いから時間がかかってるんだと自己否定していました。
一応、公務員試験は合格してますし、頭が悪いってことはないはずです。組織の中で働く分には足りてるはず。そう思いたい。なので、ここはわたしがダメだから理解できないのではなく、普通に理解が困難な仕事であることを客観的に認めることが必要でした。
そして、前任者や上司に訴えて、こんな状態では仕事ができまないとさっさと白旗を上げればよかったです。
併せて、仕事を人に依存させているような引き継ぎ書・マニュアルは悪だと、理解するべきでした。当該人物が欠けても、誰でも引き継ぎ書・マニュアルを見れば代わって行えるのが、職員的・職場の危機管理的にアリだと思うのです。
…と、引き継ぎ書・マニュアルにケチを付けても、代わりになるモノを前任者が作り直しわけがないので、そういうものに出くわしたらバンバン周りに向けて悲鳴を上げて、自ら引き継ぎ書・マニュアルをイチから作って、なんなら上司の簡易決裁くらいを受けてお墨付きをもらうくらいが安全ではないかと考えます。
自分が馬鹿だから…と自己否定しない。なんならそんな引き継ぎ書・マニュアルを作ったヤツの方が馬鹿だ。
引き継ぎ書・マニュアルを作る際は、仕事を人に依存させないように留意する。上司の簡易決裁を受けるのはどうか?
5 適当な仕事しかしない職員等と一緒に仕事をしなければいけないとき
人間関係の問題ですね。わたしてきに、ミスったなぁと思うことがありまして…
それは、他人の意見を聞いてしまったことです。大事なので赤くします。
クソな仕事ぶりの人間に対する対処を相談したところ、色々と助言は貰いました。
- クソとか言うな、全部顔に出るぞ。
- 分からないことは聞けばいい、それだけ。クソとか関係ない。
- とにかく愛想よくしろ、敵だと思われるな。
…だいたいわたし自身に問題があるんだから治しなさい、といった感じのアドバイスが返って来ていました。ああ、そっかぁ。わたし入庁したばっかりのひよっこだもんな、大人しくしてないと後々困るよね…なんて思いながら、真に受けていたんですね…
いやいや!そんなわけないじゃん!
イヤなものはイヤ!それ以上でもそれ以下でもない!
今思えば、「自分がされて嫌だなと思うことは、本当に嫌なことなのか」という疑問を持って、全部丸投げにして人に意見を聞いてしまったのは良くなかった。自分の気持ちをないがしろにし過ぎでした。
イヤなことをされて、それが我慢するようなモノではないなら、相手が誰であろうとハッキリ言いたいことを言えばよかったです。
そう、ハッキリ言ってやればよかったんですね…あの時言えばよかったことはこんな感じかな?
- 前任者さん、こんな引き継ぎ書を渡されても、わたしはコレを見ても仕事を理解できません。もっと詳しい説明のある資料をください。無いなら、逐一教えてください。
- 某職員さん、それは私の仕事ではありません。あなたが持ち帰って考えることです。
- どいつもこいつも締め切りくらいは守れ。ってください。
- 某職員さん、そちらの事情を聴かされても困ります。対応されないなら、こちらの作業は一旦中止します。
…こんな感じ? あぁ、一部大きく表示されてしまっている…わたしの(切実な)心の声が反映されてしまってますね、ご了承ください。
人間関係に関するアレコレは、他人の意見を求めて丸のみにしてはいけない。
言いたいことがあるなら、時にオブラートを纏わせつつも、はっきり伝える。
結局、わたしはあのときどうしてればよかったのか?
結局、わたしはうつ病になって休職する前はこういう傾向だったと思います。
- 嫌われたり避けられるのが怖くて、過剰に周りの人間の空気を読む。
- 自分の意見や気持ちは誤りかもしれないと思って、一切表に出さずに貯め続けた。
- コミュニケーション皆無。自分を出すことはなかった。
- 手元の仕事が丸く収まれば、あとはどうでもいい。(自分の体調も含む)
- そもそもの現状を疑うことをしなかった。
いまならこんなダメダメ職員アカンやろと思えるのですが…
当時はこんな状態でも仕事は回っていて、しかもそこそこ部不相応な仕事までやってしまっていて、「アレ、わたし仕事ができる職員やん」くらいに思ってました。お前の目は節穴かと、過去に戻れるなら戻って後頭部をしばき倒したい。
結局、要するに中瀬さんに足りなかったものは、人と体当たりでコミュニケーションをすること、思ったことを素直に口に出すこと、困ったときに人に頼ることでした。
とにかく人が怖かったんですね。同年代の人と仕事をする機会はなくって、だいたいが自分の親くらいのおじさんおばさんです。そして公務員の世界は狭いですから、ひとつ悪い噂が立てば、すぐに広まります。(象徴するのが異動速報が出た後の電話ラッシュ。異動でやってくる人がどんな人かを知人経由で調べまくるのです…そんなことしてますからあっという間ですよね…)嫌われたら、いじめられたら…と良く考えていましたね…
もう、そういう周りの目を気にしてコソコソしても良い事はひとつも無いというのが良く分かったので、中瀬さんの中の人はこのキャラを表に解き放って暴れてやろうと思います。いつもニコニコしてる姉ちゃんだと思ってるおじさんたち、覚悟しろよ。
ということで、長い反省文になりましたが、最終まとめはこちら!
自分の性格や善悪の基準、物の考え方などなど…に自信をもって、素でコミュニケーションをする!
疑ったり、嫌だなと思ったりすることを否定しない。困ったときは周りを頼る。思ったことはちゃんと伝える。
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書いた人 中瀬一菜(なかせ・ひいな)
うつ病が原因で退職した元公務員。未婚・アラサー・障害者。
うつ病があっても自立した生活を送るために日々奮闘中。
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