こんにちは。中瀬一菜です。
今日は初めてうつ病を理由に泣いた日のことをお話したいと思います。
1 なんでも順位付けしているわたし
昨年末から病気のことを書き始めた本ブログ。そこそこというか、ほぼほぼわたしの病気にまつわるお話は出尽くした感があるのですが、まさかこの場に及んでまだ新展開があるとは…
病気について、いろいろ赤裸々に話してきました。なんだかんだ前任者許せねぇとか、親の理解が得られなくてヤベェとか、復帰にはまず図書館だってよとか…
最近の記事の傾向をちょっと見ていて、客観的に悟ってしまいました。自分でも気づいていなかったことです。
自分の中で、ちょっと優越感があるようです。
わたしうつ病だけどちゃんと治ってるし~メンヘラじゃないし~なんて。優越感というか、わたしよりもずっと大変な人たちはもっといる…という同情・共感とともに、そういう人たちを見下ろして、わたしはまだマシ!と言い聞かせてた感じです。
…漫画『フルーツバスケット』の楽羅ちゃんみたいな感じ。夾くんへの告白のシーンです。
病気だけじゃなくで、わたしの場合、なんでもそう。
受験でバーサーカーになった話だって、要は同じ事。浪人してしまって「出来ない馬鹿なわたし」が受け入れられなくて、自分よりも下の人間を作りたくて、必死に勉強して這い上がった。学校の成績は数字で出ますから分かりやすいですし、余計に下の人間を踏み台にして自分の精神状態を安定させていたと思います。
…今となればそう思う、ですけどね。
こういう私って、酷いですか? 人間みんなこんなもんじゃないんですか?
よく分からないですけど、わたしはそうでもしないと生きてこれませんでした。自尊心が山よりも高いというか、プライドの塊というか、面倒くさい人間なわけです。
2 復帰が見えて、優越感が顔を出す
こういう私ですから、自分よりも下を常に探しています。常に人よりも上でいようとしています。下とか上とか、あいまいな言葉ですが、基準はすべて自分の中だけのお話。自分が思う社会的に考えて評価される○○とか、自分が思う客観的な基準の○○とかです。勝手になんでも番付をつけているんですね。
もちろん、うつ病になっても、私はやっぱり番付をつけていました。
ここ最近のわたしは、じっと家で休養するだけの期間が終わり、復帰に向けて動き出したところでした。詳細は下記リンクをどうぞ。
すごく明るい未来を感じさせる記事です。ちょっと上から目線のような気もします。こうすればいいですのよ!ほほほ!ってか?
うつ病を患ってずっと療養している人はたくさんいる中、わたしは復帰に向けて動き始めている!
とでも考えながら書いていたのでしょう。出てきました、意味の分からない番付による優越感です。さっぱり自覚はしていませんでしたが、過去記事を見ていて察しました。
わたしのうつ病に対する自分のイメージは、ほぼ社会一般の差別的な認識とイコールでしたから(初記事の自己紹介でお先真っ暗と書いてある通りです…)、常に自己否定です。最悪です。穀つぶしです。パラサイトです。
綺麗な言葉でうつ病っていってもさ~なんて飾り立てることはできますが、本当はうつ病なんて社会的に差別の蔓延る病気じゃん・こんな病気になった自分なんてお先真っ暗じゃんくらいは、心のどこかで思っていました。
うつ病に対するイメージは最悪。そんな認識を持つわたしが、うつ病から回復している…どれだけの気分の上昇だったか…
傷ついた自尊心を癒す最高の出来事ですよね。自分よりも下ができましたから。復帰への訓練をしているステップに上がった、ただそれだけなのに。うつ病患者であることは、何ら変わりはないのですが。
3 うつ病を理由に初めて泣いた日
ともかく、うつ病に対するマイナスなイメージをもっているわたくし。こんな気持ちを常に抱えていると大変ですから、仕事のことを忘れえて休養に集中する過程で、自分でそういう悪いイメージは厳重に「蓋」をするようになりました。できるだけ考えないようにする術を編み出したのではなく、時間がそう解決してくれました。
そんな中、うつ病からの回復が見えて、優越感に浸っている(自覚なし)…うつ病へのマイナスなイメージはうまく「蓋」ができている…順風満帆というか、我ながらうまくいっていたと思います。
…ですが、この「蓋」は、案外簡単に外れました。
きっかけは、うつ病とは関係のないところでの体調不良と家族とのすれ違い。まさしく、家族の理解なしに治療は無理の記事が実証されたことになりますね。
その日はほんとうに動くのも辛くて、普段なら少しは手伝う家事を放り出して横になっていました。
すると、家族は愚痴ります。家族はみんな仕事をしていますので、疲れている中家事をしているところ、わたしが横になっているのが目に入ったのでしょう。体調がすぐれないことを話してはいましたが、家族とは言え、所詮は他人の話。それも家事の片手間で聞いています。きっとちゃんと耳に入っていなかったのだと思います。
「パラサイトしている」「いつまで実家にいるつもりなの」「はやく自立して」…
わたしが厳重に「蓋」をしている中、病気に対して思っているほんとうのことを、ズバズバと話しだしました。
とはいえです。こういう風に家族に指摘されることは、ままあります。その日だけの事ではありません。家族は病気に対する専門知識もないし、典型的な昭和な人間でSNSなども使わないし、聞きかじった言葉や事件を鵜呑みにして真偽のほどを確かめるような質でもないので、軽率になんでも話してしまうのです。伝わりますかね、このニュアンス。
普段なら不快に思いつつも、適当にあしらえていました。だけど、この日はたまたま、わたしは体調が悪かった。聞き流せる状態ではなく、まともに正面から受け取ってしまった。
自分にとって、一番言われたくない言葉たち。
なんでも順位をつけて自分よりも下を作って優位を保っていないと生きていけない私にとって、この上ない屈辱です。
こうして、あっさりと「蓋」は開いてしまいました。うつ病のマイナスなイメージが襲い掛かります。
そして、回復しつつあることを理由とした優越感(自覚なし)が吹き飛び、その代わりに圧倒的な劣等感が顔を出しつつありました。気分の大きな落ち込みがあったので、優越感やなんやらをこの時から察しはじめました。
その後、わたしは自室に引きこもりました。うつ病へのマイナスなイメージ、圧倒的な劣等感…心の中は大嵐です。気づかないうちに泣いていました。いろいろなことが頭の中を駆け巡っていた気がします。
わたしを、わたしが下だと常々思っている群と一緒にした!
回復してきていると話したはずなのに、なぜそこを認識しない!
実家での療養なんて、したくてしているわけじゃない!
そもそも、病気になったのだって、わたしの意志ではない!
いつまでこんな生活を送ればいいのか、こっちが一番悩んでいるというのに!
まずは怒り。そして、悲しみ。最後に、絶望。家族のいいところはたくさん知っていますし、本心で言ったというより、言わざるを得ないような状況だったことも把握はしていますが、冷静さなんて微塵もありませんでした。
さすがに異常だと思ったのか、家族があとから自室に籠ったわたしのところへ来ましたが、それが逆に辛かった。そういう辛そうな顔を家族にさせたくはなかった。
こんなことになったのは、なにもかも「うつ病」のせいだ。
病気になってその苦しさゆえに泣いたことは何度もありますが、病気そのものを理由に泣いたのはこれが初めてでした。病気になりたての頃は、ただ苦しくて病気を理由に泣いている場合ではなかったし…ちゃんと泣けたのはこれが初めてです。
4 こんな自分が一番嫌い
なんだかんだと、言葉で飾ることは可能ですが…
それでもこんな風に優越感だ・劣等感だと分析して、面倒くさく色々考えこんで、そうでもしないと生きていけない私自身が一番憎いし、大嫌いです。下手したら、病気よりも自分自身の方が嫌いかもしれない…
もっと馬鹿だったらよかったと思います。
物事の機微を察しない、自分の欲望だけ満たして快感を追い求める人間だったら、どんなに楽に生きていけるかといつも思います。
このように中途半端に物事を考えてしまう頭なんて、邪魔くさいだけです。理屈っぽくて、うっとうしい。どうせ考えるならば、もっと完璧に考えられる賢い頭であればいいのに、わたしの備わっているのは平々凡々よりもちょっと出来が良い(らしい)この程度の頭。あぁ、病気にもなりましたし、いよいよ要りません。
けど、わたしはこのままなわけで。パソコンみたいにバージョンアップ☆とか出来ればいいのに。なんて人生ハードモード。
宗教的な話ですが、人間生まれてくる前、自分の魂は人生の課題を持ってこの世に降りてきているそうです。仮にそうだとして、一体なんの課題をしょい込んで生まれてきたのやら…何かに書き留めてくれれば良いものを…
人を見下して安心するなとか?
いかなる時も家族を思いやれとか?
足るを知り、分をわきまえよとか?
もっと馬鹿なら…なんて今更無理か…ということは何か?わたしは何かを悟らなければいけないのか? わたしは坊さんか。ただのアラサー腐女子だわ。
「うつ病が心の底から憎い!ちゃっちゃと回復して優越感に浸って自尊心を保ちたい!」が、いつの間にか「自分のことが大嫌い!」にまで発展している始末…
公務員試験で打ちのめされて現実と等身大の自分を悟ったと思ったのに、わたしはまだ何かを深く考えないといけないのか。自分を好きにならないと☆って誰かが偉そうに言っていたような気がするけど、それはなんとなくこの世の理だなと思う。
どうせここまで自分の考えを綺麗に文字に起こしたんだ。考えて考えて考えまくって自分で納得しないといけないのなら、どうせうつ病になったんだから自分のこの悪癖もついでに治してしまおうか。
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書いた人 中瀬一菜(なかせ・ひいな)
うつ病が原因で退職した元公務員。未婚・アラサー・障害者。
うつ病があっても自立した生活を送るために日々奮闘中。
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