小心者でも言いたいことがある。~公務員として働いていましたが、うつ病になりました。~

地方公務員として働くアラサー腐女子。典型的パターンでうつ病を発症してしまう。悩み藻掻きつつも幸せを掴みたい。日々の奮闘をまとめます。

『獣になれない私たち』を見てると共感できすぎて辛くなる(誉め言葉)

こんにちは。中瀬一菜です。

今日は2018年10月期水曜10時放送のドラマ『獣になれない私たち』についてお話したいと思います。

 

 

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www.ntv.co.jp

←DVD発売中みたい。

主演は新垣結衣さん、松田龍平さん。脚本は野木亜紀子さん。野木さん×新垣さんはかなり頻繁に組んでいますし、どれも話題になった作品(空飛ぶ広報室掟上今日子の忘備録逃げるは恥だが役に立つ)ばかり。キャスティングだけで期待値がかなり高いです。

あらすじは、新垣さん演じる晶(あきら)が交際中の男性と仕事でモヤモヤして…周りの関係者を巻き込んで…と言った感じ。スパッと分かりやすい問題提起があって、解決案があって、というドラマではなく、一話ずつジワジワと噛みしめる系です。『逃げ恥』とは全く違う。

脚本の野木さんはここ数年ヒット作が続いている印象。逃げ恥からアンナチュラル、そして『獣になれない私たち』放送期間中に、NHKでは『フェイクニュース』(前後編二話構成、すでに放送済み)を放送するという…引っ張りだこってこういうコトを言うのだと思います。

 

 

評判が悪いって嘘でしょ?

視聴率が悪いみたいですね。10%を割っているみたい。「大コケ」と言われているそうな。脚本が単調…ガッキーの演技が気に入らない…などなど…

わたしはプロの脚本家を目指して専門の勉強をしてしまっているので、純粋な視聴者の目線ではどうしても見られない所があるのですが、やっぱりこのドラマは面白いよと言いたいのです。

確かに、一話完結で・分かりやすい起承転結があって・善悪がハッキリしていて・楽しいエンターテインメントではないです。仕事でパワハラまがいの被害に遭う晶(新垣さん)を見ていると辛くなるし、そんな彼女が恋愛面でもストレスを抱えているのを見るとまた辛くなる。

けど、このドラマには、演技やセリフや演出の間に、視聴者にいろんなことを想像させてくれる余裕があると思います。それでも、視聴者を置いてけぼりにして、そっちで自由に考えてと言わせるような余裕ではなく、ある程度方向性は決まっている余裕です。そりゃ、晶さん辛いよなめっちゃ分かる…こうしたらええやん、こういう意見聞いたことあるで…とか。

わたしは、作る側としては、こういう余裕のある方が好きです。全部の伏線がギチギチに固められていて、隙の無い構成の作品は息苦しいです。だからディズニー作品あんまり好きくない。

あー面白かった!ガッキーかわいいなぁ!で終わるドラマではないので、賛否は分かれるだろうなぁとは思ってましたが…やっぱりまさしく、な感じですね。

 

 

共感できすぎて辛いからこそ、ドラマで見てみたい

不評である意見の中には、このドラマが描いている「社会の問題点」を挙げられているとか。

現代社会の問題(働き方とかまさしく)をリアルすぎるくらいに描いているので、受け付けられない人もいるかもしれません。家に帰ってリラックスして、エンターテインメントとしてもドラマを求めている方にとって、職場を疑似体験させるようなストレス満載の作品は遠慮したいですよね。めっちゃ分かる。公務員モノの作品は見たくないもんね。簡単に決裁がおりて、誰かにいじめられてもイケメンで理解のある同僚がいれば、誰だってお仕事頑張れるわいって話~~~☆彡

特に、この作品は「働き方」を取上げていますから…なおさら見たくない勢が多いのでは。むしろ晶さんと似たような状況の方だっていると思うんですよね。わたしですら、共感できるんだから。

 

でも、だからこそ、ドラマという夢のある世界の中で、どうなっていくのかを見届けたいと思います。

思いませんか? あの嫌なヤツを一発ぶん殴ってやりたい!とか、窓から椅子投げたろか!とか、パソコンの画面ぶっ壊して暴れたろか!とか、せめて一言モノ申してやりたい!とか。

晶さんはちょうどいま、頑張っているところなんですよね。一話完結じゃないから。ジワジワとお話が進んでいく中で、ゆっくりと。ストレスをどんどん抱えながら。

確かに、見ていて辛いところはあるけど、その分頑張れよ!!!って思えちゃう。ネタバレになりますが、ちょっとずつ抵抗してるんですよ、晶さん。

物語はゆっくりと進んでいて、回収されていない伏線がたくさんあって、「獣とは?」という一番大事なところも明かされていないので、むしろちゃんと一話から見続けないとダメ!系ドラマだと思います。不評は結構ですが、ちょっと時期尚早じゃね?感がある。

 

 

ドラマ離れというけれど、ただみんな疲れてるだけでは?

わたしの大好きな脚本家さんで、坂本裕二さんという方がいらっしゃるんですが…

この方が手掛けた作品は前評判が良くても実際の視聴率は悪い…みたいなのを聞くような、聞かないような。

でも、わたしは、ぜんぶ好きなんですよね。『Mother』『Woman』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『カルテット』『anone』『わたしに運命の恋なんてありえないって思ってた』…全部大好き。なんなら泣きながら見てた。

台詞を聞くだけで「坂元さんの作品だなぁ」って思えて、色々考えさせてくれる余裕がすごくたくさんあって、状況を説明するセリフが少なくて映像で見せてくれる。辛い状況をあえて描写していて「娯楽」とは言えないドラマだけど、そういうところがむしろ好き。

分かりやすいドラマは、むしろ嫌いです。見ていて寒いです。途中で見るのやめます。

 

…でも、こんなことを思いながら見る視聴者って、製作者側にちょっとでも寄ってしまったわたしみたいな人だけなのかなぁとか思ったり。

考えさせられる作品に付いてこられないのかもしれないですね。家に帰って、娯楽のドラマに考えさせられたくないよ・エンターテインメントは楽しく、ストレスを発散できるものであれ!・ただでさえ、毎日しんどいのに、家に帰ってまで頭を使う余裕はない…

作る側がいかにもって感じで主義主張を出してくるのは、それはそれで寒いですけど…

やっぱりそっと作品にはいろんな思いが忍ばせてあるもので…分かってほしいよなぁとアマチュアながら作る側としては思います。

 

最終的に、『獣になれない私たち』の評価はどうなるんでしょうね。わたしはちゃんと放送を追い続けたいと思います。

 

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書いた人 中瀬一菜(なかせ・ひいな)
うつ病が原因で退職した元公務員。未婚・アラサー・障害者。
うつ病があっても自立した生活を送るために日々奮闘中。
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