小心者でも言いたいことがある。~公務員として働いていましたが、うつ病になりました。~

地方公務員として働くアラサー腐女子。典型的パターンでうつ病を発症してしまう。悩み藻掻きつつも幸せを掴みたい。日々の奮闘をまとめます。

作業療法って知ってる?うつ病患者が第二の居場所をゲットした話

こんにちは、中瀬です。作業療法を受けてきたのでそのお話をしたいと思います。

 

 

困った母さんと窮屈な中瀬さん

わたし自身、作業療法がなんなのかサッパリわかっておりませんでした。

というか、わたしにはそういうなんちゃら療法は不要だと思っていた。自分の頭で割と冷静に考えることができるし、特に不便はない。投薬で抑えきれない症状もないし、「だいたい普通の人」なんだけどくらいの認識。もっとこう、どうにもこうにもならない人が受けるものだと思ってた。本当に失礼な話ですみません…

なんですが、ある日の診察でちょっと状況が変わりました。

それは、母親を連れて診察に行った時のお話。

薬を飲みながらも不調の日は残ってしまっていて、それを見た母が「薬を飲むから逆に不調なんだ!」と解釈してしまって、「薬を辞めろ!」を言い出してうるさかったので黙らせる目的で連れていきました。

結果、母は主治医の話の8割を理解できていませんでしたが(学がない上に話を聞かないので、しょうがない…)薬を辞めることは誤りという結論は理解したようです。

ただ、主治医はそれだけで話がまとまったとは解釈していませんでした。

主治医「ん~~~、ちょっとケアを受けてみますか」

中瀬「ケア…???」

主治医「病院で作業したりお話したりするんですが、中瀬さんもどう? 今の中瀬さんがすごく窮屈そうに見えるんだけど」

中瀬「(窮屈なのは否定しないが、まさかわたしがなんちゃら療法のお世話になるとは…!)」

ということで、晴れてわたしのなんちゃら療法デビューと相成ったわけであります。

そして、そのなんちゃら療法の正体は、作業療法というものでした。

 

 

作業療法とは

www.jaot.or.jp

作業とは、人の日常生活にかかわるすべての活動のことを指す。食べたり、入浴したり、遊んだり、買い物をしたり…などなど。

・作業療法の目標は、基本的な動作能力から社会のなかに適応する能力まで、3つの段階の能力を維持・改善し、「その人らしい」生活の獲得。

  1. 基本的動作能力(いわゆる体が動くこと)
  2. 応用的動作能力(日常生活で必要な作業ができること)
  3. 社会的適応能力(就学・就労ができること)

以上、日本作業療法士協会が発行しているパンフレットから引用です。

なるほど、日本語とは便利かな、「作業」という1単語にこめられた意味の多さよ…

わたし、刑務作業的な感じで部品の袋詰めでもさせられるのかと思ったら、そういう作業じゃなかった。うっかりうっかり。

要するに、うつ病患者の場合、3の能力のためにがんばろうね~というお話なのだった。

 

 

具体的になにするんや?

それが、なにもしないんですよ。

そういうと語弊がありますね…、週に一度身一つで病院に行って、病院側が用意してくれている本や雑誌を読んでいます。

ね、なにもしてないでしょ?(???)

毎日の忙しさからすると、こんなの何もしてないに入っちゃうくらい、まあぐうたらさせてもらっています。

わたしの場合の具体的な話を以下箇条書きにて。

  • 主治医の許可がある患者のみが参加を許される。
  • 作業療法は自立支援医療の対象になるので、わたしの場合1回300円くらいで利用中。
  • 病院の中にあるまあまあ広い部屋が開催場所。
  • 時間はだいたい1~2時間弱。
  • 担当の作業療法士さんが1名ついてくれる。活動終了後、面談あり。(週に1度程度)
  • 作業療法士さんが数名、患者さんが10人弱?くらいいる。
  • 病院側が用意するプログラムはある。体操や散歩、話し合いみたいな。色々とバリエーションに富んでいる。
  • かといって、プログラムに参加する義務は無し。
  • 病院側の用意したモノ(本、折り紙、工作道具などなど)を自由に使える。使わなくてもいい。
  • もちろん、持参してもいい。
  • 作業療法士さんが巡回してくれて、世間話をすることもある。
  • 患者同士の会話もあるっちゃあるが、仲良くする必要はない。
  • 雰囲気はワイワイって感じ。作業療法士さんのベストな配慮のおかげで、無言の激重空気ではない。

わたしが作業療法を受ける目的は、前章で「窮屈」というキーワードが出ていますが、「家から出る」ためです。

わたしはグラフィックデザイナー・ウェブデザイナーとして在宅でお仕事をしているのですが、マジで家から出ない生活でして…そのうえ母親はあんな調子。まあ、お察しなわけです。これは若年の女性患者あるあるかと思います。家族の協力なしに療養は難しいのであった。。。

ということで、週に1回でも病院に行って、息抜きをしなさいね、というのが主治医の意図なのでした。

おかげさまで、活動中は肩の荷が下りたような感覚があって、頭の中がすっきりします。

週に一回、この時間だけは、将来の不安――お金とか、仕事とか、老後とか、そういうのを一切合切、横に置いてぼけーっとすることを許されるのです。いや、家にいる間も許されてはいますが、ついつい考えてしまうので…。

 

 

第二の居場所

わたしにとって、作業療法の場はとても大切な時間となりました。

病院という病気の専門家が山ほどいる世界で、一番理解があって許されて優しい場所で、なんの苦痛もなく息をしていられるという…

家とはちがう、新しい居場所。家族とは違う、理解者。

参加している間、仕事は一切できません。パソコンを持ち込んでもインターネット環境がアレなので…特にAdobe系ソフトは重たいですから、そう簡単に動かせませんからね…

生産的な意味では無駄なんですが、精神的には必須だなと思いました。

わたしの通院する病院の場合は、主治医の許可制なのですが、こういう治療もあるというのをそっと布教いたします。

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書いた人 中瀬一菜(なかせ・ひいな)
うつ病が原因で退職した元公務員。未婚・アラサー・障害者。
うつ病があっても自立した生活を送るために日々奮闘中。
Twitter  https://twitter.com/ebihuraiumeeee

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note        https://note.com/me10s2ct

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