こんにちは。中瀬です。
公務員のハラスメント告発用の窓口について考えてみました。職種別に相談窓口を載せていますので参考までに。
パワハラ、セクハラ、マタハラなどの各種ハラスメントで泣き寝入りして苦しむ職員がいなくなるように願います。どんな背景・理由があろうと、当人が苦しいと思ったなら、相手のその行為は許されることじゃない。中瀬さんは全国の真面目に働く公務員さんの味方です。
公務員のハラスメントはかなりヤバい問題である
民間の方がまだ救いがある
各種ハラスメントの被害者になってしまったら、どのような行動をとればいいか分かりますか?
人事に言いに行く?
上司にチクる?
公的な機関を頼る?
民間の企業にお勤めなら、最悪労働基準監督署へ通報するとか、厚生労働省が設置する相談窓口に行くとか、色々を幅広く選択肢は用意されております。実際に、行動できるかどうかは置いといて。
しかし、公務員の場合はそうでもない。
だって、公務員がハラスメントに遭遇したって、公務員を統べる上級の職業は無いのです。結局、公務員は公務員に相談するしかなく、それは結局身内の揉め事を丸く収める的なことになっちゃう。
これって、非常にマズい組織図だと思いませんか。結局、自ら出た膿は頑張って努力して自ら出しきるしかないという…そんなのできるわけねーじゃん、誰にも口煩く指導されないなら、自分が「ま、いっか」と思う程度しか動かないよ。…なんて、ぺーぺーのわたしですら思っちゃう。
実際にご覧いただこう
こちらは厚生労働省が運営するパワハラ対策の相談窓口をまとめたページです。
大変よくまとまっていて、実際に悩んでいる方がいらっしゃったら参考にしてほしいのですが、公務員は別です。
といったように…公務員は受け付けてくれないんですね。
要は、それぞれの採用や職種に応じて身内の相談窓口は用意してるから、そっちに言いに行きなさいということです。
上のリンクは、パワハラに限った話ではありますが、その他のハラスメントであっても同じことです。パワハラと特別目立たせているだけの話ですので…。同僚間のいじめとか。そういうので困ったら、言いに行く所は結局身内なのです。自浄作用が正常に働いているところもあるでしょうけど…ね。
なお、地方公務員については、こういったことは「苦情処理」ということで一括されて、地方公務員法第8条11項に定められています。人事委員会のお仕事ということになっています。やっぱり法令で決まっているから付けられているお仕事なのでした。間違ってたらご指摘ください。
自浄作用にまかせっきりのヤバさ
「別に、言うて行く所が無いわけやないんやから、ええんとちゃう?」と思われそうですが、ちょっと待って。
人事委員会等の専門業務を任されている窓口で、特にハラスメントに関する相談事には守秘義務は付き物でしょう。ですが、どこまで・どの程度正常に働いているかは疑問です。
ちゃんと秘密は守ってるって? でも、そんなの相談する側は分かりません。もしかしたら、自分の相談事が外に漏れるかもしれないという可能性だけで、充分足は竦みます。
そして、その窓口がそもそもハラスメント解決のために正常に機能しているかも謎。頑張って庁内HPで電話番号やメールアドレスを見つけ出しても、最終更新がいつなのかも不明な化石のようなページがあるだけでこれって今も生きてるんですか?なんて聞きたくなっちゃう。(公官庁のHP更新の杜撰さは、誰でもなんとなく察しが付くでしょう)
謎だらけの窓口に、外に漏れでもしたら自分が社会的に死んでしまうような情報を与えて、ハラスメント問題の解決にあたってもらう…なんという恐怖。こんなん、誰が相談すんねん。規模の小さな団体なんて、もっと無理でしょ。
…ちゃんとしてるところもあるんでしょうけどね。少なくとも、ウチはそんな感じだったよ。
ハラスメント対策を具体的に考えてみる
素直に専用窓口に直訴(職種別の相談窓口)
無いよりマシですから、いろんな可能性を考えてみていけそうなら、思い切って相談してみるのも大いにアリだと思います。だって、法令で定められたお仕事ですからちゃんと給料分働いてもらわないと困ります。
地方公務員の場合
人事委員会へ言いに行きましょう。団体によっては、人事委員会ではなくて、総務部の人事系の課でも受け付けているなんてこともありますから、所属するご自身の団体でどこが窓口になっているのかをよくお調べになってください。
国家公務員の場合
人事院で受け付けているっぽいのですが、該当ページが見つかりませんでした。ただ、パンフレットは発見。この中に連絡先が記載されています。
消防・警察の場合
消防の場合は、地方公務員と同じです。各市町村の首長部局・人事委員会が窓口です。中には、総務部の人事系の課でも受け付けているかも。
警察の場合は…正直情報がなさ過ぎて…ぽいものは見つけることはできました。公益通報というものがあるそうな。(警察庁HPから引用) あと、国家公安委員会の定例会資料から、パワハラ対策について議題が上がっていました。ちょっと抜粋してご紹介。(国家公安委員会から引用)
木村委員より、「パワハラ事案に対して、警察庁ではどのように取り組んでいるのか」旨の発言があり、首席監察官から、「行き過ぎた指導に対して、それを止める、介入することに逡巡するといった傾向が都道府県警察にみられると思う。ハラスメントに対して、あってはいけないという意識改革を組織全体に徹底をさせることによって、兆候の段階から把握し、指導する立場の者にも指導していくということを、今後の指導の大きな柱としていきたい」旨、次長から、「警察庁では、定期的に全職員が行っているストレスチェックの活用等により把握に努めている。各都道府県警察でもこの活用を促進するとともに、パワハラ等について部下から情報をうまく吸い上げる仕組みを構築するなど様々な方法を組み合わせながら、具体的な方法を検討してまいりたい」旨の説明があり、木村委員より、「具体的に行動を起こさないとなかなか意識は改善されない。根本は、相互の信頼関係である。ストレスチェックの活用等も含め、具体的な対策を講じてほしい」旨の発言があった。
…警察の場合は、もしかして、窓口が、無い…のか?????(ハラハラ)しかし、ストレスチェックがとりあえずの対策になっているみたいです。
以上、職種別窓口のお話でした。ちゃんと仕事をする職員に出会えればラッキー。改善してくれるかも。
※誤り・追加等ありましたら、コメントで教えてください。お手数をおかけします。
(追加)ストレスチェック
50人以上の労働者がいる事業所では、年1回のストレスチェックが義務付けられています。(リンクは厚生労働省の導入ガイドライン。)
高ストレス者となった場合、任意で産業医との面談が可能となっています。そして、産業医から、事業所への何らかの措置も可能です。
…ということは、この制度に乗っかって、うまく産業医までたどり着くことができれば大変便利なのでは?(あえて高ストレスになるようにストレスチェックを回答して…なーんて…)
弁護士に頼ってみる
庁内で無料弁護士相談なんて窓口があるなら、使うのも手かもしれません。
それもちょっと嫌だという場合は、法テラスという場所があります。無料で使える相談窓口です。全国にありますよ。
弁護士に頼ったところで、訴訟を起こすつもり無いなら、結局はご自分の所属する団体へと話が戻って行くだけなので、遠回りをしているだけのような気はします。それに余計に事が大きくなって…というのも心配ではある。
職員団体に入ってるなら…
…本来なら頼れるんでしょうけれど、自治労にはあまりいい思い出はありません個人的に。政治的な主張があまりにも激しく、本来の労増条件の改善・向上が疎かになっていると判断して、私は脱退しています。この時にすんなり辞めさせてはくれずに揉めてしまい、役員から「全国何万人の組合員が敵になるんだぞ」的な脅しを受けています(そして中瀬さんがブチ切れて口論に発展)。大変不愉快でした。今でもちょっと根に持ってる。
…こういうところは、ウチだけかもしれません。が正常に機能していて、窓口がありますよと宣伝しているようなら使ってみるのも手かと思います、よ、一応は。
え、もしかして詰んだ…!?
びっくりするくらい何も方法が思い浮かばない!!!
あーあ…結局一番マシな方法は、やっぱり人事委員会なんでしょうね。結局身内かよ…これって規模の小さいそれこそ村役場とかどうなるんでしょうね。考えるだけでも恐ろしい。
ここまで考えるほどハラスメントで追い詰められている人って、正常な判断力は無い気がします。窓口を探すのも骨が折れるし、通常業務の上にわざわざ時間を割くのも大変だし、何度も同じ話を強いられるだろうし…辛みしかない。
自分で職場を選べるわけでもない公務員…異動の度に何事もなく平和に過ごせる部署に行けますようにってお祈りするしかないってか…
しかし、とりあえず窓口は、ある! まだ救いがある。泣き寝入りするにはまだ早い。
自分を救えるのは自分だけ
人生、甘くないよ。
結局、こうなります。自分を救えるのは自分だけです。
人は人と支え合って生きているなんて言いますが、他人さんはイザとなるとなーんも頼りになりません。だって、他人さんその人自身は、何も辛くないから。辛くないならそれに越したことは無い、余計な問題には首を突っ込まずにそっとしておく。そうしておけば、平和に生きられる…
なんでわざわざ他人の苦労を背負う? 聖人君主でもないかぎり無理な話です。家族友人なら助けてくれる? それだけの人望と可愛げが自分にはあると言いきれるなら、そう考えればいいでしょうけど…
精神的に参ってきたなぁ、どうしよう。病院に自分を連れて行こうと最終的に奮い立たせることができるのは自分だけです。
ハラスメントに耐えられない。どうしよう。人事委員会に駆け込めるのも、上記同様自分だけです。
公務員のハラスメント告発用の窓口って実質存在しませんわ詰んだー!って話を上でしてますけど、形の上では存在はしています。ブラックボックスすぎて、本当にちゃんと機能するのかが怪しいだけであって。
どんな手段を取るにせよ、どんなに辛い状況下でも自分を救えるのは自分だけ。泣き言言ってお布団にくるまって泣く暇があったら、電話の一本・メールの一通送ってみろよ、というお話です。ハラスメントなんて辛い体験をした人間に、そこまで厳しい事を言うか!?って感じですが…結局こうしたものです。甘くは無いのだ。
省みて、行動あるのみ
中瀬さんなんだか最近は病気治ってきて一人暮らしも始めて何もかも順調でいいですね~なんて思われているようならとても心外。ふざけんなよクソが!と何度踏ん張ったか。
結局、話は過去の記事に収斂していきます。
自分の考え方、行動、性格、心理的状況…そういったことを踏まえて、省みるところは省みて良い方向へ軌道修正して、自分の気合を信じて行動できた人だけが、事態を好転させていくんだと思います。
現在進行形で何らかのハラスメントで苦しんでる方、行動あるのみです。窓口(機能しているかどうかは怪しい)は、とりあえずあります。
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書いた人 中瀬一菜(なかせ・ひいな)
うつ病が原因で退職した元公務員。未婚・アラサー・障害者。
うつ病があっても自立した生活を送るために日々奮闘中。
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