こんにちは、中瀬です。退職を決意した理由をまとめます。
それは、突然に
令和2年12月下旬。普段は一人暮らしをしているのですが、年末年始くらい実家に帰るかと思い、荷造りを終えてベッドの中に入った瞬間でした。
暗い部屋の中あったかお布団のなかもぞもぞしながら、ふと頭の中に浮かびます。
わたしの人生、この先に仕合せはあるのか?
←仕合せをとは何か考える中瀬さん(イメージ)
この瞬間、あぁ、なるほど、もう公務員を辞めようかと思いました。そしてそのまま寝ました。
翌日には家族が迎えに来てくれて、その流れて打ち明け、納得してもらえました。
退職を思い立って一日と経たず、私は辞職を決意しました。
年明け初回の職場側面談で退職の意を伝え、そのまま荷物の回収と挨拶を済ませました。辞める本人はあっけらかん。周りが右往左往。まったく可笑しな終わり方でした。
しがみ付いていた公務員という豪華な椅子
うつ病を発症した経緯まとめ(n回目)
ここで少し中瀬さんの公務員人生をふりかえりましょう。
入庁して二つ目の部署で、過剰業務を割り当て・前任者からの不十分な引継ぎ・上と下に挟まれ右往左往…そうこうしているうちに、あっという間に体調悪化、朝が起きられなくなり、まともに歩けなくなり、精神科でうつ状態と診断されて休職となりました。2年半後、とりあえず復帰。しかし半年で再び休職。そして今に至る、と。
辞めるわけにはいかなかった理由
ということで、典型的な人間関係で揉めて具合が悪くなったパターンなのでした。
なので、とにかく、前任者が憎くてしょうがない。
患った病気が、うつですからね。完治は無い病気です。これからさき一生付き合う病気です。よくもわたしにそんなものを負わせてくれたな、貴様の命で償え!〇ね!と思うだけでは足らず、殺害計画も立てましたほんのりと。実際、やるのは簡単だと思いました。馬鹿馬鹿しいのでやめました。
それに、公務員って、なるまでが大変でして。
わたし結構な額を予備校にかけてまして。おいおい、費用対効果悪すぎるだろうがよ。このまますんなり辞めてなるものか、回収させやがれ!
ということで、まとめるとふたつの理由になります。
- 他人が原因で病気を患ったのに、その他人が辞めるならともかく自分が辞めるのは納得がいかない。
- 公務員になるまでにかけた経費が多額にもかかわらず、ほんの数年で辞めるのは勿体なさすぎる。
ヤのつく専門家も真っ青なド根性で、公務員の席にしがみ付きました。しがみつくのが、当然でした。それ以外ありえない。
だから、わたしは、戦いました。闘病して、復帰して、もっと公務員として働いて、給料を貰うつもりでした。
そうあるのが当然だから。
そういう人生が約束されていたはずだから。
誰もが「すごいわね~と」声を揃えるクソ田舎のなかでも優秀な公務員という豪華な椅子に座っていたかった。美人で賢くてなんでもできる、家族も親戚もみんなが褒めたたえる、そんな中瀬さんで居たかった。
わたしの人生の目的ってなんだっけ
人生の目的
ところでみなさん、何のために生きていますか?
美味しいご飯を食べるため? 家族と楽しく過ごすため? 可愛い服を着るため?
わたしは、いつからか忘れましたが、ぼんやりとイメージがあります。
わたしの家族――わたしを起源として繋がったパートナーやその子供、またそのパートナー、その子供夫婦の子供…そういった家族に囲まれて、皺皺のおばあちゃんになったわたしは今際の際に「あぁ、仕合せだった」と言って笑って死ぬ。これがわたしの人生の目標です。まあ、母の受け売りですけど。
とにかく、仕合せであること、これがわたしの人生の目的であり目標であり指標であり、いつだって悩んだときは仕合せでいられる方を選ぶようにしています。
公務員に仕合せはあるのか
去年の冬の日に思ったのは、「うつ病で休職で復帰してもまた休職・今は復職を目指している…そんな人生の先にわたしの人生の目的である仕合せは待っているのか?」でした。
復職をした時、主治医から一度は必ず再発する(=また休職する)と言われていました。なので、二度目の休職に納得はしていました。
あ~、それでまた復職して、色んな人に気を遣ってもらってお仕事こなして、まあまあ高い給料もらって…
それで、わたしの人生の目的は満たせそうか?
わたしが公務員になったのは、安定が欲しかったからです。
就活をしていた当時は、ワークライフバランスが重視され始めた黎明期ではないかと思っています。ブラックな働き方なんて、当然でした。それが嫌で、公務員をえらんだだけです。(まあ、そうでもなかったですけどね、中に入れば)
そう、わたしの人生に、仕事にはさほど重きを置いていませんでした。
その仕事にわたしは振り回されて、一喜一憂して、気分を乱高下させて、ぶっちゃけ好きでもない仕事ををする…そんなの無駄だと思いました。復帰してまた怯えながら仕事して、前任者を腹立たしく思いながら、費用対効果を頭の片隅でそろばん弾いて計算する…
時間や労力が勿体ないとすら思えちゃった。
わたしの人生、それで終わると思うと、ちょっと待ってくれよ、そうじゃない。
仕合せにならせてくれよ。
――あぁ、だったら、もう辞めよう。
わたしは公務員を続けるその先に仕合せはないと悟り、辞めることを決意したのでした。
気分は山口百恵、キャンディーズ
中瀬さんの波乱万丈公務員人生、これにて終わります!(マイクをそっと床に置く)
そうはいっても中瀬さんほんとうにもういいの?ブログでは散々復帰してやる~~~!!!って言ってたのに!!!!!!…なのですが、わたしは気づいてしまったのでもういいのです。
いまさら前任者を〇しにもいかないし。弊社を相手取って訴訟もしないし。
美人で賢い優秀なキラキラ中瀬さんは終了です。これからは、うつ病元公務員無職中瀬さん(等身大)として、自由に好き勝手に生きていきます。
短い公務員人生でしたが、まあまあ濃密だったかな。
上司の随行で東京出張、何度行かせてもらったか。ああ、あのときの懇親会で一緒になった京都の公務員さん、一緒に日本酒飲みましたね、楽しかったです。東京都の公務員さん、いまごろは出向からお戻りになってるでしょうか。お元気でどうぞ。某事務局付きの素敵な職員さん、どうかそのままの笑顔でお過ごしくださいませ。弊社でお世話になったひとたち、元気でどうぞ。
歴に比べてデカい仕事ばっかりやって来たので、なんだかバランスが悪いなァ。まあ、それだけ密ってことですなァ。
わたしは結局辞めることにしましたが、これを決めるまで3年紆余曲折いろいろありました。それだけの時間は無駄ではなかった。その時々、わたしは精一杯最良を選び続けて頑張ったと自負できます。絶対、この3年は必要だった。
退職は、逃げの選択ではありません。成長の第一歩だと思っていますマジで。
これからは後ろ盾は何もない、自分の力だけでお金を稼いで食べていきます。うつ病とも引き続き向き合います。絶対最後は仕合せになります。
でもひとつ気にくわないのは、この退職が「自己都合退職」ってとこ。
おい弊社、オメーの管理不行き届きのせいでこちとらうつ病になったんだが、そこんとこどうなってんだ???(以下略)
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書いた人 中瀬一菜(なかせ・ひいな)
うつ病が原因で退職した元公務員。未婚・アラサー・障害者。
うつ病があっても自立した生活を送るために日々奮闘中。
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