こんにちは。中瀬一菜です。
うつ病の症状が治まりかけている現在の療養生活についてお話をしたいと思います。
安定していた日々でも油断するとすぐ不安定に
わたくし、公務員を休職して日々休養していますが、職場の復帰プログラムを受けており、定期的にカウンセリング(無料)をしてもらっています。
生活記録表を書いたり…図書館に通ったり…もちろん病院へ通ったり…復帰に向けて少しずつ外での行動を増やしています。友達とお出かけしたり、映画見に行ったりするのは平気になってきました。気分もかなり安定していて、多少沈むことはあっても、ちゃんとすぐに平常通りに戻ります。
これ、とってもいい感じじゃない???
ええ、わたしそう思いました。主治医も、カウンセラーさんもそう思っていたことでしょう…
それがそうでもなかったのです…
この、一見するととっても安定していて、どこが病気やねん?といった体調。実はちょっとしたことで瓦解する非常に不安定なモノでした。たとえば…
- 天気が悪い
- 家族やSNS等のネガティブな言葉
- 薬の飲み忘れ
- 偏った食事
- 過度に集中する
- 生理
あっという間に不安定に。ちょっと気分が揺らぐ程度ならいいんですが、 上記のような出来事をきっかけに調子を崩すと、一週間ほどはくらーい気分・しんどい体で過ごす羽目に。
とはいえ、休養初期と比べれば、調子の崩し方も可愛いもので、確かに治ってきているなとは思うのですがそれと同時にやっぱりまだまだだな…と思い知らされるわけです。
未だに癒えないトラウマ
特に驚きだったのは、わたしの休職理由にもなった先輩職員などとのアレコレについて。
先輩職員も仕事が嫌だと思っている人で、仕事自体も代々杜撰に行われていたもので、それを几帳面にこなそうとしてメンタルがやられました、というお話を上記記事でしております。
実は、この理由になった事柄、まだわたしの中で消化しきれていなかったのです。
別に、件の先輩職員とばったり出会っても、ご無沙汰してます~(愛想笑い)くらい言い放てる自信はあるのですが…そうじゃなかった…
というのも、調子が悪いときにたまたまカウンセリングにいくことがありまして、さすがは専門家、わたし自身気づいていない深いところを聞いてくれて、言葉に出すことによって、ちょっとずつ気づいていなかった感情が露わにすることができたのです。それはこんな感じです。
- わたしの「社会人とはこうあるべきだという形」を周りに押し付けて、当てはらない人間を許せないままになっている。もはや生霊の勢い。
- 「社会人とはこうあるべきだという形」に当てはまらないと判断した人間から受けた仕打ちが屈辱的過ぎて、怒りというかもはやトラウマになっている。
- 休職することになったわたし自身が「社会人とはこうあるべきだという形」には当てはまらず、猛烈に自己否定をしている。
要は、わたしという人間はどうやらそこそこプライドが高くって、理想までもが高くって、その割に自分はというとそこまで出来た人間ではなかったという… さらに他人にまで自分の理想を押し付けますからね余計に質が悪い。
ちなみに、わたし「社会人とはこうあるべきだという形」とは、締め切りは守るとか、社交辞令は言うとか、気を利かせるとか、自分に任せられた仕事はやり切るとか…そういったことです。
わたくし、どうにも優等生思考でして…地元でも進学校と言われるような学校を卒業し、お前は優秀だねと周囲から褒められ…浪人(バーサーカー状態)を体験してより優等生思考に磨きがかかり…
そんな人間ですから、人間とはそもそも矛盾を抱えて生きる生き物であるという基本がスッコーンと抜け落ち、なにごとも白か黒か・善か悪か・有益か無益か・合理的か非合理的か…などと間が存在しない二者択一の考え方の癖がついていたのかもしれません。そして、その考え方こそ至高なのだと信じていたような気がします。
やや抽象過ぎましたが…例えば、万引きをした人間を見て、犯罪者だねドンマイ以上終わりと断罪するだけみたいな感じ。本当は、せざるを得ない何かがあるかもしれないから、刑法上罪に問われようとも悪い人だとは言えないよなぁ…と考えるような余裕のある思考は持ち合わせていなかったのです。
さすがに、気づかされた今は、癒えない傷というよりも、こんなこともあったよなって感じです。トラウマには違いないけど、確実に鮮度は落ちました。
それに、別にわたしの中の「社会人とはこうあるべきだという形」的なルールを、他人が守ろうとそうでなかろうと、何にも感じないだろうなと思います。それは、自分が今現在休職して、そこそこ苦しい思いをしてぐるぐる考えて考え方が変わったのもあるし、こういう苦しさへの理解が深まっているのでその分相手を思いやれるから。
…とはいえ、自分の仕事をしないクズ人間は給料泥棒だなとは思いますよ。そこに自分の怒りとかが伴わないって感じです。わたしはわたし。他人は他人。以上終わり!
職場復帰へのハードルは高い
きっと順調に回復されている皆さんの中にも、実は気づいていない自分の心の声を聞き損なっている…なんた場合もあるかもしれませんね。
と思うと、職場復帰へのハードルはやっぱり高い。
うつ病からの回復が目に見えて分かるわけでもないし、治るスピードはとっても緩やかで、病んでる本人すら錯覚するくらい毎日元気に過ごせる。本当は自分ですら気づいていないトラウマを抱えていながらも、です。面白いテレビを見れば笑えるし、漫画もゲームも楽しめるし、趣味だって少しずつ興味が湧いてきて、体感としては病気になる前と変わらないんだから。
ですので、同じ病気の皆様、くれぐれもご自愛くださいね。わたしのような方を家族にお持ちの方、どうか傍で見守ってくださいね。
いま見ている元気に動ける姿は、抗うつ剤(服用していたら、ですが)と、ストレスの原因になるモノから物理的に距離を取って、長い静かで穏やかな時間の中で、ようやく形成されたものなのですから。
今回のわたしのように、カウンセリングなどで自分の心を見つめ直すと、存在すら認識していなかった心の傷が知らないうちにパッカリと開いて、今までの安定した気分や体調が一気に崩れることもあるのですから。
一見元気になったからと言って、じゃあすぐに復帰しましょうとはいかないのです。
いや、わたしがしようとして、できませんでした。
どこまで治っているかも分からないこの病気ですが、ゆっくりと時間をかけて、主治医の先生やカウンセラーさんと一緒に慎重に慎重を重ねて治していくのが、やはり最適解なのだと思います。
小さな目標を積み重ねる
ということで、あえなく職場復帰を断念したわたくしですが、上記のような大きな気分の揺らぎが何度かありまして、生活リズムもちょっと乱れ気味になってしまいました。
生活記録表をつけているので、起床時間のずれや日中の外出頻度などがすぐに分かるんですね。
先日のカウンセリングで、ひとまず、起きる時間を実際に出勤する場合の時間になるようにしましょう、ということになりました。
このほかにも、体力強化のためのウォーキングなどを考えていたのですが、そっとカウンセラーさんに止められました…そうか、頑張りすぎるのも駄目だった。この病気、向き合うのがつくづく難しい。
ひとまず、起床時間を調整して、上手くいったら今度は体力向上に努めたいと思います。気候もずいぶん穏やかになりましたし、歩きやすいですから良いですよね。
とにかく、この小さな目標の達成を静かにふんばりながら、この気分と体調が大きく揺らがないように無理のない程度に日々過ごしたいですできるだけですけどね~~~頑張らないのが今のわたしの第一目標ですから~~~
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書いた人 中瀬一菜(なかせ・ひいな)
うつ病が原因で退職した元公務員。未婚・アラサー・障害者。
うつ病があっても自立した生活を送るために日々奮闘中。
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